肺癌の血液検査・腫瘍マーカー

肺癌の血液検査・腫瘍マーカー

肺がん(肺癌)の血液検査(腫瘍マーカー)

肺がん(肺癌)の腫瘍マーカーの利点・欠点

腫瘍マーカーは正常な細胞からも多少はつくられますが、がん細胞から特に多くつくりだされるたんぱく質や酵素で、がん(癌)の有無や種類、進行状態を示す指標となります。腫瘍マーカーの検査は、一般に血液を採取するだけで用意に検査できるため広く普及しています。また、腫瘍マーカーの数も50を超えるまでになっています。

肺がん(肺癌)では腫瘍マーカーの数値を調べることで手術後の取り残しがないか、抗がん剤や放射線治療の効果があったか、再発の兆候がないかなどをおおよその目安として判断することができます。

腫瘍マーカーの検査は採血するだけで簡便な方法ですが、いくつかの不確実な面もあります。

  • 腫瘍マーカーは偽陽性を示すこともある
  • ある程度肺がん(肺癌)が進行しなければ陽性(高い値)を示さないことがある
  • 進行肺がん(肺癌)でも陽性にならないこともある
  • 複数の臓器でつくられるためがん(癌)がある臓器を特定できない

そのため、腫瘍マーカーが高い値を示した場合でも、がん(癌)の疑いがあるに過ぎず確定検査には画像検査などを平行して行う必要があります。腫瘍マーカーが高値というだけではがんの確定診断はできません。

肺がん(肺癌)の腫瘍マーカーの種類と基準値

現在、肺がん(肺癌)の腫瘍マーカーとしては主にCEA、SCC、NSE、CYFRA21-1、ProGRP、SLXなどが臨床の現場で用いられています。これら腫瘍マーカーは早期肺がん(肺癌)の診断には陽性率が低く、がん発見のための検査としてはあまり有用ではありませんが、化学療法(抗がん剤)などの治療効果の判定には有用なことが多くなります。

※各マーカーの基準値は使用するキットの違いで基準値が異なります

CEA-肺がん(肺癌)腫瘍マーカー

【基準値:2.5(ng/ml)以下-RIA法/5.0(ng/ml)以下-EIA法】

CEAはもっとも一般的な腫瘍マーカーで、肺がん(肺癌)以外にも大腸がんや胃がんなど消化器のがんや乳がんなどで数値の上昇がみられます。主に腺がんで高値を示します。

そのため、CEAの値が高値を示しただけではがんの特定が難しいといえます。肺がん(肺癌)の陽性率は約50%です。

SCC抗原-肺がん(肺癌)腫瘍マーカー

【基準値:1.5(ng/ml)以下-EIA法/2.0(ng/ml)以下-IRMA法・RIA法】

SCC抗原扁平上皮がんの有無を推測する腫瘍マーカーで肺がんの他にも子宮頸部がんや頭頸部がん、食道がんなど扁平上皮癌の腫瘍マーカーとして有用です。

初期の肺がん(肺癌)では陽性率はあまり高くはなく20%~50%程ですが、進行がんでは陽性率が高くなります。

NSE-肺がん(肺癌)腫瘍マーカー

【基準値:10.0(ng/ml)以下】

NSE小細胞肺がんの診断で用いられるマーカーです。後述するProGRPと比較すると陽性率は同程度ですが、治療の効果や再発・進行時の反応の正確性で劣ります。非小細胞肺がんでも陽性を示すことがあり、この場合には小細胞肺がんと同様に抗がん剤や放射線に対する感受性が高いとされています。

CYFRA21-1(シフラ21-1)-肺がん(肺癌)腫瘍マーカー

【基準値:2.0(ng/ml)以下-RIA法/3.5(ng/ml)以下-EIA法】

CYFRA21-1(シフラ21-1)扁平上皮がんで60%~80%という確率で高値を示すマーカーです。SCCと比較して陽性率は高く、さらに治療効果があった場合には数値が低くなり、再発・進行すると数値は上昇するという正確性もSCCより優れています。喫煙の有無による数値の乱れが無く、肺の良性疾患と間違える率も低いことから優れたマーカーといえます。

ProGRP-肺がん(肺癌)腫瘍マーカー

【基準値:81.0(pg/ml以下】

ProGRP小細胞肺がんのマーカーです。治療に良く反応し、再発・進行時にも速やかに上昇するので有用なマーカーです。NSEと比較すると、小細胞肺がんに対して特異的で信頼度も高く、臨床的に有用な腫瘍マーカーです。

NSEと同様に非小細胞肺がん(主に大細胞肺がん)でも陽性を示すことがありますが、この場合には小細胞肺がんと同様に抗がん剤や放射線に対する感受性が高いとされています。

SLX-肺がん(肺癌)腫瘍マーカー

【基準値:38(U/ml以下】

SLXは腺がんの進行例では陽性率が高くなります。ステージIIIでは約50%、ステージIVでは70%程度高値を示します。

SCC(扁平上皮がん)やNSE(小細胞肺がん)、ProGRP(小細胞肺がん)と併用することで肺がん(肺癌)の組織型の診断の参考になります。