肺癌の初期症状と末期症状

肺癌の初期症状と末期症状

肺癌の初期症状

肺癌の初期段階では自覚症状はほとんどありません

肺腺がん(肺腺癌)

肺腺がん(肺腺癌)は肺野型(末梢肺野に発生する)がんが多く、初期症状に乏しいがんです。しかし、肺腺がんも癌が進行してくると様々な症状が見られるようになります。肺腺がん(肺腺癌)は転移しやすいがんであるため、自覚症状が出たときには進行していることも珍しくありません。

肺扁平上皮がん(肺扁平上皮癌)

肺扁平上皮がん(肺扁平上皮癌)は肺門型がんが多いため、咳や血痰などの症状が比較的初期の段階でも現れることがあります。

扁平上皮がんは他の肺がんに比較すると進行していない時期でも自覚症状が出ることがあります。喫煙が深く関わる癌ですからヘビースモーカーの方で自覚症状を感じた場合にはできるだけ早い時期に医療機関を受診することをお勧めします。

小細胞肺がん(小細胞肺癌)

小細胞肺がん(小細胞肺癌)は肺門型がんが多いため、ある程度進行すると咳や血痰などの症状が現れるようになります。小細胞肺がんを患う方のほとんどは扁平上皮癌と同様ヘビースモーカーの方ですので、喫煙者の方で咳や血痰などの症状が続くようでしたら、一度早めに医療機関を受診されることをお勧めいたします。

小細胞肺がん(小細胞肺癌)は極めて転移しやすいがんであるため、自覚症状が出たときには既に全身に転移していることも珍しくありません。

大細胞肺がん(大細胞肺癌)

大細胞肺がん(大細胞肺癌)は肺野型(末梢肺野に発生する)がんが多く、初期段階ではなかなか症状は出ません。しかし、癌が進行してくると様々な症状が見られるようになります。

大細胞肺がん(大細胞肺癌)は転移しやすいがんであるため、自覚症状が出たときには進行していることも珍しくありません。

肺癌に共通する症状

全ての肺癌に共通の症状として例えば、咳が続いたり、痰(血痰も)、喘鳴(ぜいめい:ゼーゼー、ヒューヒュー)、嗄声(させい:声が嗄れること)、息切れなどを起こすことがあります。さらに胸壁や胸膜に浸潤した場合には胸椎が溜まってきたり(胸水貯留)、胸部痛や呼吸困難が見られることがあります。

大静脈に浸潤した場合は顔や首などがむくんだり、息切れや頭痛、めまいなどを自覚するようになることもあります。

時には、神経が侵されることにより腕の痛みやしびれ、胸や肩の痛み、顔面や上肢の浮腫などが見られることもあります。

進行肺がん(進行肺癌)の症状

進行肺がん(進行肺癌)では様々な自覚症状が現れてきます

肺癌は進行すると骨転移や肺転移、肝臓転移、そして脳転移などの遠隔転移を起こします。

肺癌が骨に転移した場合には肩や背中、腰の骨などに痛みを感じるようになってきます。

肺癌が副腎に転移した場合にはホルモン分泌に異常が生じるため顔が丸くなったり、骨粗鬆症や多毛になることがあります。また、悪心や嘔吐、低血圧などになることもあります。

肺癌が肝臓に転移した場合には背中や腰、お腹が張って痛みを感じたり、食欲が落ちてきたり、終始ダルさを感じるようになったり、時には黄疸がでることもあります。腹水がたまり妊婦さんのようになることもあります。

肺癌が脳に転移した場合には、目がかすんだり、ふらふらしたり、味覚が変わったり、ロレツが回らなくなってきたり、と様々な症状が出ることがあります。

他にも肺癌が進行すると食欲不振や手足の指先が太くなるばち状指、手足の関節の腫れや痛みなどの症状を自覚することもあります。

肺癌を疑い時間をすごすより早期の医療機関受診を!

長い間咳が続いたり、血痰がでたり、急に息切れするようになったり、あるいは胸部の痛みが続くような場合、病気ではないかと常に考えている状況は、ストレスが発生し、病気の原因となりやすいため、異常に気が付いたときには放っておかず、できるだけ早く医療機関を受診することをお勧めいたします。

また、進行肺癌が疑われる場合でも、「確定診断が怖い」「手術をしたくない」「治らないから」「仕事が休めない」などの理由により医療機関緒受診をためらうかたもいらっしゃるようですが、受診するのに遅すぎるということはありません。適切な診断を受け、治療を行うことは患者様の利益につながりますので、受診を強くお勧めいたします。