食道がんの原因や特徴

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食道癌の特徴

食道癌の統計

食道癌の患者数および食道癌の死亡数ともに増加傾向にあります。

日本では食道癌により毎年約1万人以上の方が命を落としています。

男女別では圧倒的に男性のり患率が高く、男性は女性に比べて5~6倍、食道癌にかかりやすいというデータがあります。

食道癌の危険因子である喫煙や飲酒の習慣が男性に多いことが主な原因だと考えられています。

年齢的には60歳以上で増え始め60歳代後半から70代にかけてが発症のピークです。

食道癌の多くは、食道の内壁の粘膜に発生します。そのうち粘膜を作る扁平上皮細胞にできるがんを扁平上皮がんと呼びます。日本人の食道癌の90%以上がこの扁平上皮がんです。

一方で欧米人の食道癌は粘膜層の内部にある腺細胞から発生する腺がんが多く、全体の50%以上を占めます。

また発生部位についても、日本では胸部中部食道癌が50%以上ですが、欧米では胸部下部食道が50%以上を占めます。

食道癌の発生する部位

食道は上部から順に頸部食道、胸部食道、腹部食道の3つの部位に分けることができます。

食道癌もどこの部分に発生したかによって、頸部食道がん・胸部食道がん・腹部食道がんの3つに大別することができます。

日本人では胸部食道がんの発生が最も多くおよそ90%を占めます。

胸部食道は食道の大部分を占め、心臓や大動脈、気管などの重要な臓器に接しているため手術は大がかりで技術的も特に高いレベルの手術となります。

食道癌の治療成績が芳しくない理由

食道癌の死亡者数が多いのは、患者数が増えていることも一因ですが、それ以上に治療が難しい(難治がん)であることが大きな理由になっています。

治療成績が良くない理由としては

  1. 食道癌は自覚症状に乏しいため、早期発見が難しい
  2. 食道癌は進行が早い
  3. 食道癌は有効な治療法が限られている

などが挙げられます。

食道癌の発生原因・食道癌の危険因子

最も危険なのはタバコと飲酒-食道癌の危険因子

食道癌になる人は年々増え続けていますが主な原因としては、喫煙と飲酒です。

喫煙と飲酒のいずれか一方でもがんの危険因子となりますが、両方の習慣を持つ人は一層食食道癌のリスクが高いといえます。

お酒もタバコも飲まない人を1とすると、喫煙指数が1000(一日40本/25年間)で飲酒指数が100(一日4合/25年間)の人は50倍も食道癌にかかりやすいという報告もあります。

飲酒に関してはADH1B(1B型アルコール脱水素酵素)やALDH2(2型アルデヒド脱水素酵素)などの関与が報告されています。

もし食道癌を患ってしまった患者さんが食道癌を克服したいと本気で考えているなら即刻タバコと飲酒をやめるべきです。

熱い食べ物、辛い食べ物、刺激物-食道癌の危険因子

日本人の食道癌で扁平上皮がんが多いのは食道粘膜への刺激が多い熱い食べ物や飲み物、辛い食べ物、刺激の強い食べ物が原因になっています。

日頃から熱いものをふーふーしながら食べたり、熱いお茶を飲んだり、激辛の食べ物を好む方は少し控えめにされた方がよろしいかと思います。

燻製や焦げ-食道癌の危険因子

肉や魚の焦げに含まれるニトロソアミンは食道癌のリスク因子と考えられています。ニトロソアミンはベーコンやソーセージなどに含まれている亜硝酸塩からも生成されます。

胃液の逆流-食道癌の危険因子

胃から食道への胃液逆流(逆流性食道炎)も食道癌の腺がんの原因として考えられています。

 
逆にβカロテンやビタミンCの摂取は扁平上皮癌および腺癌のいずれでも予防的に働くことが示されていますので、野菜などを日頃から積極的に摂取することはお勧めです。