食道がんステージと生存率・余命

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食道癌の進行度(ステージ)と生存率について

食道癌の進行度(ステージ)は治療方針を左右します。

食道がんの進行度は、がんの進展度と転移の状況で決まり、以下の3要素を組み合わせて潜伏がん、0、IA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIB、IIIC、IVの9段階に分類されます。

  1. 原発巣(大きさ):T因子
  2. リンパ節転移の有無:N因子
  3. その他の転移(遠隔転移)の有無:M因子

原発巣(大きさ):T因子-食道癌の進行度

TX 原発腫瘍の存在が判定できない。
T0 原発腫瘍を認めない
Tis 上皮内癌/高度異形成
T1 腫瘍が粘膜固有層、粘膜筋板、または粘膜下層に浸潤する腫瘍
T1a:粘膜固有層または粘膜筋板に浸潤する腫瘍
T1b:粘膜下層に浸潤する腫瘍
T2 固有筋層に浸潤する腫瘍
T3 外膜に浸潤する腫瘍
T4 周囲組織に浸潤する腫瘍
T4a:胸膜、心膜、横隔膜に浸潤する腫瘍
T4b:大動脈、椎体、気管など他の周囲組織に浸潤する腫瘍

リンパ節転移の有無:N因子-食道癌の進行度

NX 所属リンパ節の転移の評価が不能
N0 所属リンパ節転移なし
N1 1~2個の所属リンパ節転移あり
N2 3~6個の所属リンパ節転移あり
N3 7個の所属リンパ節転移あり

その他の転移(遠隔転移)の有無:M因子-進行度

M0 遠隔転移なし
M1 遠隔転移がある

進行度(ステージ)の表

進行度 TNM-UICC分類第7版による臨床病期(2009)
ステージ T因子 N因子 M因子
Stage0 Tis N0 M0
StageIA(1A) T1 N0 M0
StageIB(1B) T2 N0 M0
StageIIA(2A) T3 N0 M0
StageIIB(2B) T1,T2b N1 M0
StageIIIA(3A) T1,T2
T3
T4a
N2
N1
N0
M0
M0
M0
StageIIIB(3B) T3 N2 M0
StageIIIC(3C) T4a
T4b
anyT
N1,N2
anyN
N3
M0
M0
M0
StageIV(4) anyT anyN M1

食道癌は進行度によって治療法は異なります

食道癌の治療はがんの進行度によって異なってきます。そのため担当医師から進行度について正しい説明を受けることが大切です。

食道癌の予後

食道癌のステージ別の5年生存率

食道がん手術後の5年生存率

手術例5年生存率(UICC-TNM分類による病理組織学的Stage分類)
0期 70.2%
1期 64.5%
2A期 51.5%
2B期 34.0%
3期 19/8%
4A期 13.7%
4B期 5.5%

※出典:がん診療レジデントマニュアル第7版

上の表は、食道癌の手術後5年生存率を表したものです。

5年生存率とは、5年間再発しないということではなく、衰弱しても生存していればカウントされる数値で、(状態はともかく)治療開始から5年後に生存している人の割合です。

上記の通り、食道癌の手術後5年生存率は決して良い成績とは言えないと思います。

しかも食道癌の手術は難易度が高いため手術による死亡が数%以上と多いことから、食道癌の手術には大きなリスクが伴うことをご理解いただけると思います。